マララ・ユスフザイ『わたしはマララ:教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女』Gakken ★★★★☆
子供が、この本の表紙を見て、最年少でノーベル平和賞にノミネートされた人だよ、と教えてくれた。恥ずかしながら私は全く知らなかったので、読んでみた。
パキスタンやイスラム、と聞くと、ただなんとなく怖い、あまり触れたくない、というイメージしかないが、実際にそこで暮らし、そこの暮らしを愛している少女の自伝。日本や先進国で暮らしていると想像もつかないような世界がまだある。女性は男性と一緒でなければ外を出歩くことができない、女性が学校へ行くことができない世界など想像もできなかった。そして、それでもそこでの生活を愛し、その不条理と戦う。紛争があり、教育すら満足に受けられず、タリバンがウロウロしている町から、それとは無縁の世界へ行ったら、私ならそこで暮らしたいと思うが、マララはそれでも自分の故郷を愛し、その故郷から、紛争や恐怖、不平等をなくし、そこでまた暮らしたいと願う強さがあった。
宗教については、全くの無知なので、なんとなくイスラム教と聞くと、怖いイメージや他の宗教を受け入れないイメージがあったが、最後の国連のスピーチでムハマンド、イエスキリスト、仏陀すべてをマララは受け入れていると知った。宗教を持つか、どの宗教を信じるか、すべては自由で、どの選択であっても、平和や思いやりという共通の願いがあることに変わりはない。
途中、難しく読みづらい個所もあったが、自分一人では選択しない本を読めてよかった。
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