斎藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』講談社 ★★★☆☆
2018年に実際に起きた滋賀医科大学生母親殺害事件のルポ。小さい頃は親は絶対的な存在で、それが染みついて、逃げ出せないまま大人になってしまった。進路や就職先も母親の思う通りでないと許されず、9年の浪人生活をへて、ようやく就職し、これから自立できそうだったのに、また浪人生活に戻されそうになり、母親を殺害する。夫婦だと、離婚しDVなどあれば住所を探させないようする手立てはあるが、親子だと、それがより一層難しく、共依存の関係にあると、それがよくないことだとわかっていてもなかなか独立できないことがよくわかる。
途中、読みたくなくなるような場面も多かったが、Lineのやり取りや手紙のやり取りなども多く、読みやすかった。
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