東野圭吾『白鳥とコウモリ』幻冬舎 ★★★★★
弁護士白石健介が殺され、その犯人として自供した倉木達郎。30年前の事件もすべて自分がやったことだとし、事件は解決したかに見えた。しかし、被害者の娘美令と加害者の息子和真は、倉木の供述に違和感を感じ、独自で調べ始める。
事件に複雑なトリックがあるとかではなく、人間の心理がよく描かれている。『容疑者Xの献身』にも通じるところがあるし、私はなぜか『赤い指』を思い出した。どうしようもないような人間はいるし、それに巻き込まれる善良な人間の不幸を描いている。
最後の真犯人の動機は、現代の闇だし、救いがない感じがした。
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