塩田武士『騙し絵の牙』角川文庫★★★★★
『存在のすべてを』がとても面白かったから読んでみた。敏腕編集者の話。コミュニケーション能力が高く、仕事もでき、人当たりもいい速水輝也。しかし出版不況とWebマガジンなどの台頭により、彼が編集長を務めている雑誌も廃刊の危機に瀕している。何とか雑誌を守ろうと奮闘しするが、その間に家庭も壊れつつある。最後は社内政治に敗れるが、その後新たな会社を立ち上げるところが逆転、速水の狡猾さとして描かれているのかもしれないが、そこまで狡猾さや逆転劇を感じることはなかった。本当に優秀で信念がある人物だと感じた。
骨太で面白かった。
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