ライフ

小野寺史宜『ライフ』ポプラ社

★★★★★

【あらすじ】

大学時代から住み続けているワンルームアパートでアルバイト生活をしている２７歳の主人公井川幹太。日常を送っていると、自然と人と繋がりが出てくる。人と繋がり、自分を含め、人が少しずつ変わっていく日常を描いた物語。

【みどころ】

最初は幹太の特殊なアルバイト（結婚式などへの代理出席）がメインの話になるのかと思っていたが、そうではなく、平らな心で人と接する幹太と周囲の人との何気ないけれど温かい日常が穏やかでとてもよかった。生活をしていると自然と人とつながって、大きな事件やきっかけがなくても少しずつ変わっていく。幹太が名前を丁寧に聞くところ、出会った人を忘れないようにしよう、と思う平らかな気持ちがとてもよく、生きることに小さな希望をもって読み終えることができる。

【おススメ】

穏やかな日常を描いた本が好きな人、のんびりと読みたい人におすすめです。