ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』早川書房
★★★★☆
【内容】
酒乱の父親から逃げるため、家族が次々と去っていき、湿地の小屋に6歳で残された主人公カイア。しばらくは父親もいたものの、その父親も家を出て、一人で貝を売って生きるようになる。湿地の少女と言われ村の人からも差別を受ける。カイアのことを見守ってくれるわずかな村人と湿地の美しい自然に囲まれ、何とか自力で生きていく。
時が過ぎ、村の青年チェイスが湿地で死体で見つかり、殺人容疑がカイアにかけられる。カイアは殺人を犯したのか、犯していないのか。ミステリー要素も少しあり、最後にはどんでん返しがある。
【感想】
始めはカイアのつらい生活の話が多く、なかなか物語に入り込めなかったが、後半ミステリーの要素も出てきて、カイアの周りに味方がいる状態になると徐々に入り込むことができた。湿地の自然描写も多く、美しい情景が浮かぶような本だった。ESLクラスの課題図書にもなっていたようだけど、著者が自然学者だけあり、専門的な用語も多く、分量も多いので、かなり大変そう。
コメント