ニュージャージー読書日記

奥田英朗『コメンテーター』文藝春秋　★★★★☆ 『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』の続編。ぶっ飛んでいる精神科医伊良部一郎の患者はテレビマン、怒ることのできないサラリーマン、デイトレーダーの億万長者、生真面目なピアニス...

雨穴『変な家』飛鳥新社　★★☆☆☆ 会話形式の本になっている。 奇妙な間取りの家を見つけたことから、その間取りについて殺人をするのに最適な家だという記事をネットに載せると同じような間取りがあり、その家に行ったと思われる人が行方...

凪良ゆう『滅びの前のシャングリラ』中央公論新社★★★★☆ 江那友樹：小太りで優しく気弱ないじめられっ子、目力信士：４０にもなって定職にもついておらず、やくざにもなれなかった半端者、江那静香：一人で子供を育て、肝の据わっている母親、山...

浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』角川書店　★★★★★ ２部構成になっている。一部目は主に波多野祥吾の目線から就職活動真っ只中の時代。ところどころその後の学生たちへのインタビューも挿入されている。２部目は主に嶌衣織の目線から最後のグル...

小野寺史宜『ひと』祥伝社　★★★★★ 【内容】 父と母を順番に亡くし、一人になった主人公の柏木聖輔は大学も中退せざるを得なくなり、たまたま通りかかった総菜屋でアルバイトを始めることになった。淡々と日常を過ごし、その中で、優しい...

奥田英朗『罪の轍』新潮社★★★★★ 【内容】 東京オリンピックを控えた昭和の犯罪事件。テレビや電話もまだ民間にはそれほど普及していない時代に起きた誘拐事件を追う刑事と犯人の物語。莫迦と周囲に言われる犯人の宇野寛治は罪悪感もなく...

夏川草介『スピノザの診察室』水鈴社　★★★★★ 【内容】 妹を病気で亡くし、その一人息子を引き取って育てることになった主人公の雄町哲郎。非常に優秀な医者であったが甥っ子を育てるため、大学病院を退職し、町の医者になる。大学病院と...

小川哲『君のクイズ』朝日新聞出版　★★★★☆ 【内容】 優勝のかかったクイズ番組の最終問題で、問題を読まれる前に対戦相手の本庄絆が回答し、やらせが疑われた。優勝を逃した主人公三島玲央は、やらせなのかそうではないのかを独自に検証...

宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』新潮社 ★★★★☆ 【内容】 変わった女子成瀬とその幼馴染である島崎の話からスタートし、短編の形で、成瀬とその時々で成瀬と関わる周囲の人を中心として話が進んでいく。滋賀県の西武デパート閉...

ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』早川書房 ★★★★☆ 【内容】 酒乱の父親から逃げるため、家族が次々と去っていき、湿地の小屋に6歳で残された主人公カイア。しばらくは父親もいたものの、その父親も家を出て、一人...